ED MEDICATION
加齢とED-50代・60代の血管からのサインと治療の選択肢
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52%
40〜70歳の男性で何らかの程度のEDがあった割合(米国の疫学調査)
日本34%
日本を含む4カ国調査で、中等度以上のEDの有病率は4カ国中最も高かった
年齢は禁忌でない
ED治療薬は医師の判断のもと、高齢でも使用が検討される
「昔より勃ちが悪い」「朝立ちも減った」——年齢を重ねる中でそう感じ、これは老化だから仕方ないのか、それとも治療できるのかを調べている方に向けた記事です。結論から言うと、加齢とともにEDの頻度が上がるのは医学的な事実です。ただし「年のせいだから仕方ない」と決めつけて何もしないのは早計です。加齢によるEDの背景には血管の変化や生活習慣病が関わっていることが多く、EDそのものが体からの重要なサインである可能性、そして年齢を理由に治療をあきらめる必要はないという医学的知見を、この記事では一次資料に基づいて整理します。
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加齢でEDは本当に増えるのか(データで見る)
結論として、加齢とともにEDの頻度は明確に増加します。米国で40〜70歳の男性を対象に行われた大規模な疫学調査「マサチューセッツ男性加齢研究(MMAS)」では、対象者全体の52%に何らかの程度のED(軽度・中等度・重度を含む)があり、そのうち症状が重い「complete(完全)」なEDに絞っても、40歳時点の約5%から70歳時点の約15%へと、約3倍に増えていました[3]。
日本を含む調査でも同様の傾向が報告されています。日本・ブラジル・イタリア・マレーシアの4カ国で行われた調査では、年齢で調整した中等度以上のEDの有病率は、日本が34%と4カ国中で最も高い数値でした[2]。国や調査年によって数値には幅がありますが、「加齢とともにEDが増える」という傾向自体は、複数の独立した調査で一貫して確認されています。
先に断っておきたいこと
これらの数値は集団を対象にした調査結果であり、「50代・60代だから自分もEDのはずだ」と個人の症状を確定させるものではありません。逆に、加齢による変化がまったくない人もいます。あくまで年代が上がるほどEDのリスクが高まるという傾向として理解してください。
02
なぜ加齢でEDが起こるのか
勃起は、陰茎の血管が十分に拡張し、そこに血液が流れ込むことで起こる「血管のイベント」です。加齢によるEDには、主に次の3つの身体的な変化が関わっていると報告されています。
① 血管内皮機能の低下
血管の内側を覆う「血管内皮」という薄い膜は、血管を広げる物質(一酸化窒素)を出して血流を調整しています。加齢に伴いこの働きが落ちると、陰茎に必要な血流が得にくくなります[5]。
② テストステロンの低下
男性ホルモンの一種であるテストステロンは、性欲や勃起の維持に関わります。米国の高齢者を対象にした長期追跡調査では、加齢そのものが独立してテストステロン値を下げる方向に働くと報告されています[4]。
③ 生活習慣病の合併
糖尿病・高血圧・脂質異常症はいずれも血管を傷める病気で、加齢とともに罹患率が上がります。これらがEDの発症・悪化に関わっている場合は、EDだけでなく全身の血管の状態を確認する意味があります(4章で詳述)。
なお、40歳未満で急に症状が始まった場合や、特定の状況・相手のときだけ症状が出る場合は、不安やストレスが主因となる心因性EDの関与が相対的に大きいこともあります。この記事では、加齢に伴う身体的な要因を中心に扱います。
03
「加齢だから仕方ない」は誤解か
「年のせいだから仕方ない」と考えて受診をあきらめるのは早計です。加齢はEDの重要な危険因子ですが、唯一絶対の原因ではありません。1章・2章で見たとおり、加齢によるEDの背景には血管の変化や生活習慣病など、医師の関与によって管理・改善の余地がある要因が関わっていることが多いためです。
「仕方ない」で終わらせない方がよい理由
- ED治療薬(PDE5阻害薬)は、年齢そのものを理由に使えなくなる薬ではない(5章)
- 背景にある糖尿病・高血圧などの生活習慣病は、EDだけでなく心血管疾患のリスクにも関わる(4章)
- 運動・禁煙などの生活習慣の改善が、ED症状に一定の効果を示すという報告もある(6章)
断っておきたいこと
「仕方なくない」といっても、加齢という要因そのものを取り除くことはできません。治療の目的は、加齢に伴う変化をゼロにすることではなく、症状を管理し、生活の質を保つことにあります。効果を保証するものではなく、実際に使えるかどうかも含めて医師の判断が前提です。
04
EDは全身の血管の健康を映すサインでもある
EDと心血管疾患(心筋梗塞や脳卒中など)は、動脈硬化という共通の血管の変化を土台に持っています。米国で55歳以上の男性約9,500人を5年間追跡した研究では、追跡期間中に新たにEDを発症した人は、そうでない人に比べて、その後の心血管イベント(心筋梗塞・脳卒中・心不全など)を起こすリスクが約1.25倍高かったと報告されています[6]。
この結果が意味すること
この研究は「EDがあると必ず心血管疾患になる」ことを示したものではありません。あくまで、EDの発症が将来の心血管イベントを予測する一つの手がかりになりうる、という関連を示した報告です。陰茎の血管は心臓の血管より細いため、全身の動脈硬化が心臓の症状として自覚される前に、EDとして先に現れることがあると考えられています。
特に50代・60代で新たにEDを自覚し、かつ糖尿病・高血圧・脂質異常症のいずれかがある、または健康診断を長く受けていない場合は、ED単体の問題として捉えるのではなく、全身の血管の健康状態を確認する機会として受診を検討する価値があります(7章)。
05
高齢の方がED治療薬を使うときに知っておきたい安全性
まず知っておきたいのは、年齢そのものはED治療薬(PDE5阻害薬)を使えない理由にはならないという点です。タダラフィルやシルデナフィルなどのPDE5阻害薬は、高齢の方にも医師の判断のもとで処方されています。ただし50代・60代以降は持病や併用薬が増える年代でもあるため、次の点は特に重要です。
硝酸薬との併用は絶対禁忌
狭心症などの治療に使われるニトログリセリンや硝酸イソソルビドといった硝酸薬は、PDE5阻害薬と併用すると急激な血圧低下を起こし、命に関わることがあります。どちらも血管を広げる際に働く「cGMP」という物質を介した仕組みで作用するため、併用すると効果が過剰に重なってしまうことが機序として報告されています[7]。心臓の持病で硝酸薬を処方されている方は、自己判断で個人輸入等のED治療薬を使わず、必ず主治医に確認してください。
医師に必ず伝えるべきこと
- 現在治療中の病気(心臓病、糖尿病、高血圧、腎臓病・肝臓病など)
- 服用中のすべての薬(特に硝酸薬、前立腺肥大症治療薬などの降圧作用のある薬)
- 過去1年以内に心筋梗塞や脳卒中を起こしたことがあるか
※複数の薬を同時に服用している状態(多剤併用)では、薬同士の飲み合わせの確認がより重要になります。オンライン診療・対面診療のいずれでも、この確認は必ず行われるプロセスです。
「使うときだけ服用する」通常の飲み方のほか、低用量を毎日服用する「デイリー」という選択肢もあります。服用のタイミングを都度計算する負担が減る点は、規則正しい生活を送る年代にとってもメリットになり得ます。薬の効果・副作用の詳細はタダラフィルの効果と副作用の解説、毎日服用の費用や注意点はデイリータダラフィルの費用と注意点で確認できます。
06
生活習慣の改善でできること
薬による治療だけでなく、生活習慣の改善にも一定の効果が報告されています。過度な期待は禁物ですが、EDのリスクを管理する手段のひとつとして知っておく価値があります。
運動(有酸素運動)
EDのある男性を対象にしたランダム化比較試験をまとめた系統的レビューでは、有酸素運動を行った群は、行わなかった群に比べて勃起機能のスコアが統計的に有意に改善したと報告されています[8]。改善幅は大きくありませんが、薬による治療と並行して取り組める手段です。
禁煙
喫煙者を対象にした前向き研究では、禁煙に成功した人は1年後の勃起機能が改善した一方、喫煙を続けた人には改善が見られなかったと報告されています[9]。喫煙は血管内皮の働きを悪化させるため、2章で触れた加齢の影響に喫煙が重なると、血管への負担がより大きくなると考えられます。
※生活習慣の改善は、EDを完全に解消することを保証するものではありません。糖尿病や高血圧などの持病がある場合は、自己判断で運動を始める前に主治医に相談してください。
07
何科に相談すればいいか・受診の目安
加齢によるEDが疑われる場合も、まず相談する先は泌尿器科です。問診や血液検査などを通じて、糖尿病・高血圧・脂質異常症といった背景にある病気の有無を確認しながら治療方針を決めるのが一般的な流れです。対面での受診に抵抗がある場合は、オンライン診療という選択肢もありますが、運用のルールがあるため2026年4月の規制改正の解説で選び方のチェックポイントを確認してください。
具体的な受診先としては、対面でじっくり相談したい場合はED治療を専門に扱うイースト駅前クリニック(全国40院以上)のような専門クリニック、来院せずに完結させたい場合はレバクリ(オンラインED診療・診察料0円)のようなサービスがあります。いずれも問診で持病・併用薬を確認したうえで処方の可否が判断されます。薬局OTC・オンライン診療・個人輸入といった入手方法の違い全体はタダラフィルの買い方(通販・薬局OTC・オンライン診療)にまとめています。※上記リンクはアフィリエイト広告です。ED治療は保険適用外の自由診療です。
受診を検討する目安
- 症状が数ヶ月以上続いている
- 糖尿病・高血圧・脂質異常症などの持病がある、または健康診断を長く受けていない
- 胸の痛みや強い息切れなど、心臓に関わる症状に心当たりがある(この場合はED治療薬の使用前にまず循環器科への相談が必要です)
- 硝酸薬など、心臓の治療薬を服用中である
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よくある質問
Q. EDは何歳くらいから増え始めますか?
A. 調査によって数値に幅はありますが、40代から徐々に頻度が上がり、50代・60代でさらに増える傾向が複数の疫学調査で報告されています[2][3]。ただし個人差が大きく、年代だけで自分の状態を判断することはできません。
Q. 加齢によるEDは治りますか?
A. 「完治」を保証するものではありませんが、背景にある生活習慣病の管理、生活習慣の改善、ED治療薬の使用などを組み合わせることで、症状を管理し生活の質を保てるケースは多くあります。まずは医師に相談し、自分の状態に合った選択肢を確認することをおすすめします。
Q. ED治療薬は高齢でも安全に使えますか?
A. 年齢そのものは使用できない理由にはなりません。ただし高齢になるほど心臓病・糖尿病などの持病や併用薬が増えやすいため、医師による問診・確認が前提になります(5章)。特に硝酸薬を服用中の方は併用が絶対禁忌です。
Q. 心因性EDとの違いが分かりません。どちらか自分で判断できますか?
A. 自己判断はできません。一般的には、加齢によるEDは徐々に進行し、心因性EDは特定の状況・相手でだけ起こる、比較的急に始まるといった傾向の違いが報告されていますが、実際には両方の要因が混ざっていることも多くあります。詳しい特徴は心因性EDのセルフチェックの記事も参考にしつつ、最終的には医師の問診で確認してください。
まとめ
加齢とともにEDの頻度が上がるのは複数の疫学調査で確認されている事実。ただし個人差が大きく、年代だけで自分の状態を確定させることはできない
背景には血管内皮機能の低下・テストステロン低下・生活習慣病の合併といった、医師の関与で管理・改善の余地がある要因が多く関わっている
「年のせいだから仕方ない」は誤解になりうる。年齢そのものはED治療薬を使えない理由ではなく、医師の判断のもとで治療の選択肢がある
EDは全身の血管の健康を映すサインである可能性があり、糖尿病・高血圧などの持病がある場合はED単体でなく血管の健康状態の確認機会と捉える価値がある
硝酸薬との併用は絶対禁忌。持病・併用薬が増える年代だからこそ、自己判断せず医師に正確に伝えることが安全性の前提になる
出典(一次資料)
- [1] 日本性機能学会・日本泌尿器科学会 編「ED診療ガイドライン第3版」(2018年)
- [2] Nicolosi A, Moreira ED Jr, Shirai M, Bin Mohd Tambi MI, Glasser DB. "Epidemiology of erectile dysfunction in four countries: cross-national study of the prevalence and correlates of erectile dysfunction." Urology. 2003;61(1):201-206. PMID: 12559296
- [3] Feldman HA, Goldstein I, Hatzichristou DG, Krane RJ, McKinlay JB. "Impotence and its medical and psychosocial correlates: results of the Massachusetts Male Aging Study." J Urol. 1994;151(1):54-61. PMID: 8254833
- [4] Harman SM, Metter EJ, Tobin JD, Pearson J, Blackman MR. "Longitudinal effects of aging on serum total and free testosterone levels in healthy men. Baltimore Longitudinal Study of Aging." J Clin Endocrinol Metab. 2001;86(2):724-731. PMID: 11158037
- [5] Aversa A, Bruzziches R, Francomano D, Natali M, Gareri P, Spera G. "Endothelial dysfunction and erectile dysfunction in the aging man." Int J Urol. 2010;17(1):38-47. PMID: 20002226
- [6] Thompson IM, Tangen CM, Goodman PJ, Probstfield JL, Moinpour CM, Coltman CA. "Erectile Dysfunction and Subsequent Cardiovascular Disease." JAMA. 2005;294(23):2996-3002. PMID: 16414947
- [7] Kloner RA, Goggin P, Goldstein I, Hackett G, Kirby MG, Osterloh I, Parker JD, Sadovsky R. "A New Perspective on the Nitrate-Phosphodiesterase Type 5 Inhibitor Interaction." J Cardiovasc Pharmacol Ther. 2018;23(5):375-386. PMID: 29739235
- [8] Silva AB, Sousa N, Azevedo LF, Martins C. "Physical activity and exercise for erectile dysfunction: systematic review and meta-analysis." Br J Sports Med. 2017;51(19):1419-1424. PMID: 27707739
- [9] Pourmand G, Alidaee MR, Rasuli S, Maleki A, Mehrsai A. "Do cigarette smokers with erectile dysfunction benefit from stopping?: a prospective study." BJU Int. 2004;94(9):1310-1313. PMID: 15610111
本記事は上記の一次資料に基づく一般的な情報提供であり、個別の診断・治療方針を示すものではありません。症状や治療については医師にご相談ください。